ステンレス包丁に穴が!?その穴の正体と対処法

こんにちは。
サバに負けた寿司屋です。


先日の話なのですが、自分が仕事で使っているステンレス牛刀(ミソノ 9寸)の表面に小さな穴が空いているのを見つけました。(少し見にくいですが↓の画像参照)


最初は「砥石で傷ついたか?」とか「何かにぶつけたのかな?」とか思ったのですが、よく見ると複数の穴が空いています。


普通に使っている分には問題ないのですが、これがまた気になるんですよ。

地味に気になるので調べてみたのですが、これが想像以上に厄介なものだったので、今回はそれについてまとめました。

◆ステンレス包丁に発生した穴の正体と対処法


①ステンレス包丁に発生した穴の正体

いろいろと調べた結果、穴の正体は孔食(孔蝕)と呼ばれるステンレス特有のサビの一種であると判明しました。


サビでステンレス包丁に穴が空く??どういうこと??と思いましたが、ステンレスでは孔食というサビによって穴が空く現象が起きるとのこと。


人間で言うところの虫歯みたいなもんだそうです。


サビというと赤サビとか黒サビを想像していたので、まさかこれがサビだとは思いませんでした。

②孔食の原因

この孔食が起きる原因を調べた結果、ステンレス表面の不態化皮膜塩素イオン(塩や海水などに含まれるもの)が破壊することによって発生することが判明しました。


難しい話ですが、簡単に説明するとステンレス表面にサビから守ってくれている膜(バリア)があって、それを塩素イオンが破壊することにより、そこからサビが発生して穴が空いてしまうとのこと。


包丁が化学反応によって破壊されてしまうそうです。


塩素イオン許すまじ!!!_:(´ཀ`」 ∠):

③今回の原因となったもの

孔食が発生する原因塩素イオンだと判明しましたが、問題は孔食を招いてしまった原因です。


仕事で塩や塩水を使うといってもそれらに長時間晒すことはありませんし、使用後はすぐに水洗いや洗剤を用いた洗浄を行っているので、そんなことになるはずがないのですが・・・


とまぁ、色々考えた結果、塩素つながりで一つだけ思い当たることがありました。


それは「次亜塩素酸ナトリウム」


皆さんご存知の漂白剤の主成分でノロウイルスに対して有効な成分です。




再度調べた結果、次亜塩素酸ナトリウムでも塩素イオンと同様のことが起こることが判明。


私の職場では食中毒防止(主にノロウイルス)のため、30分おきに次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒作業(次亜塩素酸ナトリウムを含ませたタオル等で冷蔵庫の取手等を拭き上げるなど)を行っています。


実は、この孔食が発生する前日に、包丁も消毒しようと次亜塩素酸ナトリウムを含ませたタオルで包丁を拭いていました


つまり、今回の孔食を招いてしまったのは消毒作業のつもりで次亜塩素酸ナトリウムを含んだタオルで包丁を拭いてしまったことが原因でした。

④対処法

孔食を防ぐには、原因となる塩素イオンに極力触れさせないことが重要になります。


塩や塩水等に長時間晒すことはもちろん、間違っても消毒しようと思って次亜塩素酸ナトリウムを使ってはいけません!(1敗)



孔食が発生してしまった場合は、表面をヤスリなどで削って穴を無くすしか対処法はないとのこと。


放っておくと、さらに穴が広がり、最悪の場合は包丁が折れることもあるのだとか…


本当、虫歯の治療ですね。

◆まとめ

①ステンレス包丁の表面に空いた複数の穴は「孔食」と呼ばれるステンレス特有のサビ。

②孔食は主に塩素イオンによって引き起こされる

③今回の孔食は次亜塩素酸ナトリウムによる消毒作業が原因

④孔食は、一度発生してしまったら削って無くすしかない。


◆おわりに

今回は孔食については、非常にショックな出来事でした。


無知な自分が悪いとはいえ、良かれと思ってやったことが、大切に使っていた包丁をサビさせてしまうとは…


かなりショックでしたが、これも勉強だと思うしかありませんね。塩や海水だけでなく次亜塩素酸ナトリウムにもご注意下さい。

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